ウッドストックの森からふるさとのあなたへ:仕事を通して愛と感謝の輪を広げよう

 米ニューヨーク州ウッドストックの森に暮らす岡山県出身の作家・小手鞠(こでまり)るいさんが、ふるさとの読者に向けてつづるコラム。大人向けの恋愛小説やエッセイはもちろん、児童書でも多くの作品を発表している小手鞠さん。今回は読者の女の子から寄せられたおたよりにメッセージを寄せてくれました。

仕事を通して愛と感謝の輪を広げよう

ウッドストックの冬の森の家。動物たちはあたたかい雪の毛布にくるまれて冬眠中。私は雪を眺めながら、恋愛小説と子どもたちのためのお話を書いています

 岡山のみなさま、すこやかな新年をお迎えのことと思います。読者の方から、こんなかわいいおたよりが届きました。

【どうして作家を始めたんですか。私は子どもの今がとっても楽しいから、それを将来、本に書いて大人にも子どもにも読んでほしいと思っています。小手鞠さんの本は読んだことないけど、読んでみたいです。8歳・女性・倉敷市北畝】

 作家を夢見るあなたに私から、おすすめのシリーズ『ねこの町の小学校』を紹介します。猫だけが暮らしている「ねこの町」と、犬だけが暮らしている「いぬの村」の、子どもたちと大人たちがいろんな仕事を通して、周りの人たちをどんどん幸せな気持ちにしていく物語。

 これまでの5巻に登場している仕事は、パン屋さん、写真館、郵便局、本屋さん、ホテル、大工さん、バンド、小学校の先生など。最新刊の『ねこの町の小学校 たのしいえんそく』には、野菜農園を経営している犬のシェフが出てきて、ねこの子どもたちを「しあわせレストラン」に招待します。あなたも友だちといっしょに行ってみたくなりませんか?

 毎日、こんな楽しいお話を考えている大人の私は、本ばかり読んでいる子どもでした。本を読むのが好きでたまらなかったから、将来は本を書く人になりたいと思うようになったのです。きっと、あなたと同じでしょう?

 どうして作家を始めたのか―それは、本を読んだり書いたりすること以上に、おもしろいことがあるようには思えなかったから。自分がいちばん好きなことを仕事にしたいと思ったから。書く仕事を通して、いろんな人たちに「愛と感謝の気持ち」を伝えたいと思ったからです。ねこの町といぬの村の子どもたちと同じように、ね。

 この連載コラムに以前、私がいちばん大切にしているのは「仕事です」と書いたことがあります。その昔、女の人は、社会に出て働きたくても働くことのできなかった時代がありました。女性たちが努力して、男性と同じように仕事のできる世の中を作ってきたのです。その努力を私は引き継いで、あなたのような女の子に伝えていけたらいいなと思っています。

仕事を通して、幸せがめぐりめぐる物語

 今月の一冊は『ねこの町の小学校 たのしいえんそく』(講談社、1200円+税)。先月のクリスマスプレゼントに当選なさった方もいらっしゃるでしょうか。
 読むと、おいしい野菜が食べたくなる本です。岡山の野菜も出てくるかもしれませんよ。探してみてくださいね。

さりお 2021年1月22日号掲載

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