森のお姉さんから「婚活中」のあなたへ

 米ニューヨーク州ウッドストックの森に暮らす岡山県出身の作家・小手鞠(こでまり)るいさんが、ふるさとの読者に向けてつづるコラム。今回は、婚活中という女性読者から寄せられた質問に答えてくれます。

森のお姉さんから「婚活中」のあなたへ

ウッドストックの森に住んでいる野うさぎさん。野生動物を撮影するのはとても難しいのですが、この子は撮影に応じてくれました。ピーターラビットにちなんで「ピーターくん」と名付けました。これもまた、運命の出会いかしら?

 今回は久々に恋愛と結婚のお話をしましょう。読者の方から、こんなおたよりが届いています。

 【岡山出身の小手鞠さんをお姉さんみたいな存在だと勝手に思っています。ご主人とお付き合いするきっかけや、結婚しようと思ったきっかけ、結婚するかも? と思った出来事を教えてほしいです。岡山市中区・47歳】

 ではでは、森のお姉さんから張り切ってお返事を差し上げます。

 当時、日本で暮らしていたアメリカ人の夫と出会ったのは、私が28歳のとき、アルバイトをしていた京都の書店です。彼はお客さまとしてやって来て、店員だった私に「探している本があります」と、日本語で声をかけてきたのです。

 わーお、なんてかっこいい人なの! と一目ぼれした私は、彼から別れ際にもらった電話番号の書かれたメモを握りしめ翌日早速電話をかけ、初デートの日時が決定。その後はもう、とんとん拍子で話が進んでいって、8年後、めでたく結婚することになりました。

 結婚しようと思ったきっかけは、ちょっと味気がないのですが、彼がアメリカの大学院で勉強したいと言い出して、私が一緒に行くためにはビザが必要で、ビザを取るには結婚するのが手っ取り早いと考えたから。私たちはどちらも「結婚制度」にはこだわっていなかったから、一生恋人同士のままでもやっていけそうと思っていたわけです。

 その一方で「結婚するかも?」と思ったのは、知り合ったばかりの頃、一緒に4カ月ほど、インド旅行をしていたときです。旅をすると、相手の性格、相手との相性って、本当によくわかるのです。日常生活の中からは見えてこないようなことも、旅先でははっきりと見えてきます。「この人となら一生、幸せに暮らしていけるかも」と、インドでそう思った記憶があります。

 「婚活」という言葉には、実は抵抗があります。恋愛もそうですが、結婚もまた「活動」をして得られるものではないと思うのです。恋愛も結婚も、まず相手が現れてから考えればいい。それに、活動をしたからと言って、相手が現れるものではないように思えます。だったらどうやって? それはもう「運命」としか言えないものだと思います。

 婚活なんかしないで、運命に身を任せてみることをおすすめします。私の結婚はその成功例!

今月の一冊『ぼくたちの緑の星』

 この作品は今年の西日本感想画コンクール(九州各県と山口県で開催)の課題図書に選出されています。そして、本作は宇都宮市立中央図書館が開催している「うつのみやこども賞」の本年度の受賞作でもあります。子どもたちが選考委員を務めて、この作品に最優秀賞を与えてくれました。

さりお2021年7月23日号掲載

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