世界の今と未来を幸せに コーヒー選びもSDGsアクション

 スペシャルティコーヒー専門店店主・藤原京華さんと一緒に、コーヒーからつながる「幸せ」について考えてみませんか。今回は、コーヒーをめぐるサステナブルな取り組みについて紹介してくれます。
イラスト・藤原京華さん

世界の今と未来を幸せに コーヒー選びもSDGsアクション

 「さりお」6月4日号の特集サステナブルファッション。「つくる人も着る人もみんなが幸せになる、そんな服選びをしてほしい」という言葉に心打たれました。私事ですが、最近店にも着物で出ています。もともと着物が好きで、日本の伝統文化、多くの手仕事から生まれる着物の文化が続いてほしいと思い、思うなら自分も今着ようと、ほぼ毎日着物に。

 手間は掛かりますが慣れたらスムーズに着られ、案外気持ちが落ち着くものです。着物は親から子、孫へ世代をつないで着ることができ、サイズ直しもできます。究極のサステナブルファッションといえるでしょう。

 服も食べ物も何事も、何かを買うことは、投票と同じといいます。小さな一票だけれど、自分の選ぶもので次の社会はできていくのです。自分が大切に思うもの、次の時代に残していきたいもの、なくなってほしくないものにお金を払うべきです。商品だけでなく、どんな人から買うか、どんな活動をしている会社か、というのも大きなポイントにしたいものです。

 コーヒーも持続可能な取り組みがなされています。一般的なコーヒー豆は、ニューヨーク等の市場価格で取引されます。需要と供給の関係だけでなく、先物取引の投機的な動きで価格が大きく変動し、コーヒーの品質や生産コストは考慮されていません。コーヒー生産者には厳しい問題です。そこで働く方たちはそれ以上に過酷な状況でしょう。

 昨今、「そりゃあいけん、どこかに無理があるシステムは長く続かん!」と、持続可能な最低価格、環境への配慮、地域社会貢献を大切にするようになってきています。

 コーヒーの生産から、流通、焙煎(ばいせん)、販売、消費まで「種からカップまで、関わるみんなが共通する目標=おいしいコーヒーで、世界全体を良くしていこう」としているのが、スペシャルティコーヒーの分野です。

 世界のコーヒー全体の5%程度の量ですが年々増えています。それは品質と希少性で価格が決まります。いいコーヒーが高く取引されれば、生産者の収入と生活レベルの向上につながります。

 例えば、当店も仕入れている生豆の輸入元の会社は、ミャンマーの小さなコーヒー農家へ、高品質なおいしいコーヒーを生産できるように設備投資を日本で募る取り組みを行い、農家が高収入を得るシステムにつなげています。小農家の生産量は少ないですが、高品質ならマイクロロットと言われ希少価値が高まります。

 またタンザニアのチンパンジーの住む森を源流にしているコーヒーは、環境を損なわない生育、精製方法で生産され、チンパンジーを保護する活動につながり利益を活用しています。

◀チンパンジーの住む森を水源に育てられたコーヒー豆「タンザニア キゴマ チンパンジーAA」

 コーヒーも、おいしい幸せはもちろんですが、生産者の幸せ、世界のみんなの今と未来が〝幸せになるコーヒー〟を選んでほしいと願っています。

藤原 京華(けいか)さん
スペシャルティコーヒー専門店「吉備の国珈琲焙煎所」(岡山市北区表町1-7-15・1F)店主。中国コーヒー商工組合 事務局長。
http://kibinokuni.a-zone-t.net/

さりお 2021年8月6日号掲載

店舗名
吉備の国珈琲焙煎所
店舗住所
岡山市北区表町1-7-15
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