幸せになるCoffee:果実からコーヒー豆になるまで

 スペシャルティコーヒー専門店店主・藤原京華さんと一緒に、コーヒーからつながる「幸せ」について考えてみませんか。今回は、コーヒーの果実を豆に精製する方法を紹介します。

イラスト・藤原京華さん

果実からコーヒー豆になるまで

 熟したコーヒーの果実、「コーヒーチェリー」を収穫した後、果肉の部分を取り、種の部分を乾燥させたものがコーヒー生豆になります。この過程を精製といい、大きく3つの方法に分けられます。果実ごと乾燥させ脱穀する「ナチュラル」、水につけて果肉を取り除く「水洗式・ウォッシュト」、それらの中間の「半水洗式・パルプドナチュラル」。

 ナチュラルは天日乾燥させるため、広く広げる場所が必要です。フルーティーな味わい、甘みや香味、コクが強く感じられます。自然なので豆の状態にバラツキがあり、それも個性です。もちろん欠点豆を取り除きますが、よく知らない人は、「ムラがある」と悪い評価をしてしまうことがあります。

 水洗式は、例えるとギンナンの果肉を取るため水につけるイメージ。果肉を取った後、種についたぬめりをさらに水洗いし、乾燥させます。その過程で均一的な、粒のそろったきれいなコーヒー豆になります。味わいもすっきりとした爽やかな酸味が特徴です。水を大量に使うので、水不足の国ではできません。高品質なコーヒーを生産・精製するために資本を投じて、水を引くインフラを整えることで、子どもが水くみに何時間も費やし学校に行けなかったことが改善された例もあります。また、大量の廃液は環境汚染につながるため浄化設備が必要です。

 それらの〝いいとこどり〟をしたのが「半水洗式」。最近人気の「ハニープロセス」もその一つ。果肉を残し、水は少なめで精製します。ハチミツのようなドロッとした果肉の液につけることで、甘みとコクのあるおいしいコーヒーが作られます。

ハニープロセスで精製された「ミャンマーG1ハニー」(100g800円~)。しっかりした味わいとほわっと広がる甘みが特徴です ※価格は吉備の国珈琲焙煎所の価格

 スペシャルティコーヒーには、おいしさだけでなく、環境保全とサスティナブル(持続可能)な社会全体への好循環をつくり出す理念があります。そのためには、手作業の丁寧な仕事と、設備投資が必要です。高効率・高利益目的の機械化、単純化による大量生産のコーヒーと値段の差があるのも当然といえるでしょう。

藤原 京華(けいか)さん
スペシャルティコーヒー専門店「吉備の国珈琲焙煎所」(岡山市北区表町1-7-15・1F)店主。中国コーヒー商工組合 事務局長。
http://kibinokuni.a-zone-t.net/

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